教育機関サイトに必要な「ユニバーサルデザイン」とは?

people sitting on chair in front of computer

「情報はあるのに、伝わっていない」――教育現場のWebサイトに多い課題

学校や大学のWebサイトには、在校生・保護者・教職員・地域住民・外国籍の方など、幅広い人がアクセスします。
しかし、文字が小さい、配色が見づらい、情報が整理されていないなど、“使う人の多様性”に十分配慮できていないサイトが少なくありません。

教育機関のWebサイトは、学びの姿勢や学校の信頼性を示す「情報の窓口」です。
だからこそ、誰にでもわかりやすく、安心して使えるデザイン――ユニバーサルデザイン(UD)が必要です。

本記事では、Toyroが教育分野のWeb制作で実践している「ユニバーサルデザイン」の考え方と、実践のポイントを紹介します。

監修者
平田 遊

株式会社Toyro 代表取締役。2013年から多くの企業HPを制作。自社メディアは月間200万PVを達成。大手IT企業に入社し国内最大規模のサービスに携わる。2022年12月株式会社Toyro創業。


教育現場におけるユニバーサルデザインの必要性

教育機関のWebサイトには、学生・保護者・教職員・卒業生・地域住民など、年齢も背景もさまざまな人が訪れます。
また、視覚や聴覚に制限のある方、日本語が母語でない方、スマホ中心で閲覧する若年層など、多様な環境への対応も欠かせません。

ユニバーサルデザインは、こうした「多様性を前提に設計する」考え方です。
「特定の層に合わせる」のではなく、「誰が使っても快適に利用できる」ことを目的とします。

ユニバーサルデザインに対応したサイトは、

  • 利用者が迷わず目的の情報にたどり着ける
  • 信頼性とブランドイメージが向上する
  • 教育機関として“開かれた印象”を伝えられる

といった効果をもたらします。


「ユニバーサルデザイン」と「アクセシビリティ」の違い

似た言葉に「アクセシビリティ」があります。
どちらも“誰でも使いやすいWeb設計”を目指しますが、意味と目的に違いがあります。

用語定義目的
ユニバーサルデザイン(UD)年齢・性別・国籍・障がいの有無に関わらず、誰でも使いやすいように設計する考え方すべての人に「わかりやすく」「使いやすく」
アクセシビリティ障がいを持つ方や支援技術を利用する人にも情報を届ける仕組み情報の平等なアクセスを保証する

つまり、ユニバーサルデザインは“誰でも”、アクセシビリティは“特に支援が必要な人も”という関係です。
教育機関サイトでは、この2つを両立させることが理想的です。


教育機関サイトで実践すべきデザインのポイント

教育現場のWebサイトにおいて、ユニバーサルデザインを実現するための5つのポイントを紹介します。

1. 文字サイズと行間の設計

年齢を問わず読みやすいフォントサイズ(16px以上)と十分な行間を確保します。
フォントは明朝体よりも可読性の高いゴシック系を推奨します。

2. 配色のコントラスト

背景と文字の色差を十分に取り、色覚の違いにも配慮します。

  • ❌ 白背景に薄い灰色文字(読みづらい)
  • ✅ 白背景に黒文字、濃紺背景に薄ベージュ(見やすい)

3. ナビゲーションと情報構造

在校生・受験生・保護者など、利用者別にメニューを整理します。
情報がどこにあるかをすぐ理解できる階層構造が理想です。

4. スマホ対応・レスポンシブ設計

教育機関サイトでは保護者や受験生のスマホ利用が多いため、タップしやすいボタン・明快なメニュー設計を心がけます。

5. PDF・画像内テキストへの配慮

お知らせや要覧などのPDFにも代替テキスト(alt)やタイトルを設定し、音声読み上げにも対応できる構造にします。

💡 ヒント:
“見やすさ”よりも“伝わること”を重視する。デザインは情報を届けるための手段です。


Toyroが考える教育サイト設計のベストプラクティス

Toyroでは、教育機関のWebサイト制作において次の3つの要素を重視しています。

  1. 目的別導線設計
     受験生・在校生・保護者など、利用者の目的に応じたメニュー構造を明確に設計。
  2. 更新性の確保(CMS導入)
     担当者自身が記事やお知らせを簡単に投稿できるようにし、最新情報を常に反映。
  3. 見やすさと信頼性のデザイン
     教育現場らしい落ち着いた配色と、信頼感を重視したレイアウトを採用。

これらの取り組みにより、「見やすく・使いやすく・更新しやすい」教育サイトを実現しています。


すべての利用者にやさしい教育サイトを作りませんか?

教育サイトは、未来を支える生徒・学生・保護者・地域社会をつなぐ「情報の窓口」です。
すべての人が安心して利用できるサイト設計を一緒に考えてみませんか?

Toyroでは、ユニバーサルデザインを取り入れた教育機関向けWebサイト制作を行っています。

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