会員制サイトの情報設計で変わる!団体・協会サイトの再訪率アップ戦略

団体や協会が運営する「会員向けサイト」は、組織の活動を支える重要な基盤です。しかし、多くの会員制サイトが抱える課題として「情報が探しづらい」「更新が滞る」「必要な資料にたどり着けない」などが挙げられます。
これらは単なるUIの悪さではなく、組織としての価値提供力を低下させる大きな要因となり、会員の満足度や再訪率にも影響します。
本記事では、会員制サイトの“情報設計”に焦点を当て、団体・協会が再訪率を高めるための実践的なポイントを解説します。

監修者
平田 遊
株式会社Toyro 代表取締役。2013年から多くの企業HPを制作。自社メディアは月間200万PVを達成。大手IT企業に入社し国内最大規模のサービスに携わる。2022年12月株式会社Toyro創業。
1|団体・協会サイトの「会員向けページ」が抱える根本課題
多くの団体や協会が共通して抱える悩みは以下のようなものです。
- 必要な資料にたどり着くまでのクリックが多い
- 古い情報と新しい情報が混在している
- 会員区分ごとの必要情報が整理されていない
- 会員向けページと一般向けページの境界が曖昧
- 事務局が更新しにくい構造のまま運用されている
特に“情報のまとまりが悪い”サイトでは、会員が目的の資料を探しにくく、結果的に再訪率が低下します。また、更新しづらいサイトは、事務局側の負担が増し、情報の鮮度も落ちてしまうため、さらに利用されない状況へと悪循環が続きます。
2|会員制サイトの情報設計が再訪率に直結する理由
会員制サイトは「会員が何度もアクセスする前提」で作られるべきものです。
そのため再訪率は、情報設計の良し悪しを測る最も重要な指標と言えます。
● 情報設計が悪いと再訪率が下がる理由
- 会員が迷うとストレスを感じ、利用頻度が下がる
- 探し物が見つからないと「結局問い合わせが必要」になる
- 情報の更新が少ないと“価値を感じてもらえない”
結果的に、会員がサイトを活用せず、団体としての情報発信機能が弱体化します。
● 情報設計が良いと起きる変化
- 会員が必要情報へスムーズに到達できる
- 更新性が上がり、サイトが“生きたプラットフォーム”になる
- 会員の満足度が向上し、継続率・参加率が向上する
つまり情報設計とは、単なるUI改善ではなく、組織としての価値提供力を左右する戦略要素なのです。
3|再訪したくなる会員制サイトの情報設計ポイント
会員制サイトが再訪されるために重要なのは、「目的の情報にすぐ届く構造」を作ることです。
1)情報を“会員の目的”から逆算して分類する
「事務局の都合」で階層を作るケースはよくあります。
しかし重要なのは、会員が何を求めているのか。
例として、以下のような分類が有効です。
- 研修・講習情報
- 会員特典
- 手続き関係(更新・変更・入会)
- ダウンロード資料
- 最新のお知らせ
- FAQ
2)会員区分で閲覧情報が異なる場合は“分岐導線”を用意
- 正会員
- 準会員
- 学生会員
- 法人会員
など、区分ごとに必要な情報が違う場合、一覧ページで選択できるようにします。
3)よく使う情報は「ショートカット」を設置
- 最近更新された資料
- よく読まれるページ
- 最新の研修情報
こうした導線をトップページに置くことで、利用ストレスが減ります。
4|会員が迷わない導線設計(UX)
導線設計は「情報設計の実装」です。
会員が迷わないサイトにするには以下が重要です。
一画面で“どこになにがあるか”が理解できるレイアウト
抽象的なデザインよりも、用途が明確な配置が効果的です。
同じ位置に同じUIを配置して認知負担を減らす
メニューの位置がページによって変わると離脱要因になります。
1ページあたりの情報量を整理し、縦に長すぎない構成にする
PC・スマホともに読みやすさを損なわない構成を意識します。
5|会員限定コンテンツの最適化
再訪率を上げるには、情報設計だけでなく「コンテンツ設計」も欠かせません。
会員限定コンテンツの価値を高める
- 過去資料のアーカイブ
- 研修動画
- 専門家コラム
- 会員向けニュースレター
会員だけが得られる特別な情報があると、再訪率は大きく向上します。
過去資料は体系化して“探しやすいアーカイブ”に
PDFが乱雑に並ぶだけでは価値を最大化できません。
継続的に更新できる体制を整備
更新しやすいCMS構造が必須です。
6|更新しやすい運用体制とCMSの仕組み
団体サイトで最も多い課題の1つが「更新のハードルが高い」という問題です。
更新しやすいCMSの条件
- WordPressなどの一般的なCMSで作られている
- 投稿テンプレートが統一されている
- 画像サイズやフォーマットが統一されている
- 複数担当でも迷わない“簡易マニュアル”がある
更新作業の属人化を防ぐ
更新権限を限定しつつ、複数名が基本操作を理解している状態が理想です。
7|セキュリティと権限管理が信頼性につながる
会員制サイトは一般的なWebサイトよりもセキュリティ要件が高くなります。
必須となるポイント
- ログイン情報の保護
- 権限管理
- 不正アクセス対策
- バックアップ
- SSL
- アップデート
安全な環境を整えることは、会員の信頼を得るうえでも重要です。
8|会員制サイト改善を成功させる進め方
1)現状分析
- どのページが使われているか
- 探しづらい場所はどこか
- 更新しづらい運用フローになっていないか
2)情報構造の再整理(サイトマップ再設計)
会員ニーズから逆算して構造を作る。
3)UX設計・画面レイアウト作成
目的に沿って迷わない導線を設計。
4)CMS構築・テンプレート設計
更新しやすい状態にする。
5)移行・公開・運用
公開後の改善サイクルが特に重要。
まとめ|情報設計は団体の“価値提供力”を高める
会員制サイトは、団体・協会と会員をつなぐ最も重要な接点です。
そのため「見つけやすい構造」「使いやすい導線」「価値のあるコンテンツ」「更新しやすいCMS」が揃うことで、再訪率は大きく向上します。
情報設計は、組織の価値提供を最大化するための“戦略”でもあります。
改善によって会員との関係性が深まり、活動全体の成果を押し上げることができます。
会員制サイトの改善を検討している団体・協会の皆さまは、お気軽にお問い合わせください。












